南大牟田病院
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広報誌Web版「体に関する豆知識」

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在宅情報マガジン てまり 令和2年 第1号

 みなさん、あけましておめでとうございます。新元号となり初めて迎えたお正月。ご自宅でゆっくり過ごされた方、遠方へ足を運ばれた方などさまざまではないでしょうか。この時期はとても空気が乾燥しますので、室内では加湿器を使用したり、外出時は保湿成分のあるマスクを着用するなど、乾燥を防止し、感染症予防を意識するように心がけて元気に過ごしましょう。

過日、『体に関する豆知識』のお話がありましたのでご案内いたします。

 

◎地域交流施設で、健康推進教室が行われました。

 皆さんはどのくらい自分の体のことを知っていますか?

  • 長く歩くと片足が痛くなるのは何でだろう?
  • 認知症の予防法ってあるのかな?
  • 最近ものが飲み込みにくいのはどうして?
  • 夜、足がつって痛いなど

 今回の健康教室は、さまざまな体に関する悩みを解決する豆知識が

 ふんだんに盛り込まれた内容となっています。どうぞご覧ください。

 

★今回の講師のご紹介

 今回の講師は、南大牟田病院に勤務する理学療法士の岩本さんです。岩本さんは、日常生活の中の『動作(階段の登り降りや食事など)』が行えるように身体の機能を回復、維持するためのサポートをしています。今回の健康教室では、〇×札を使って楽しくお話をしてくださいました!

★皆さんも〇×で答えてみよう!

 今回の健康教室は、出された問題について『知っていれば〇』、『知らなければ×』で答えるといった形で行われました。みなさんがこの記事をご覧になりながら、参加した気持ちになっていただけると嬉しいです。それでは始めましょう!

参加者の皆さんに、岩本さん手作りの

〇×札が配られ、準備オッケー◎!

 

★末端動脈疾患について

 悪化すると足が壊死して、切断に至ることもあります。さらに足梗塞にかかると、心臓病や脳卒中にかかる死亡リスクが高くなることも分かっているため、侮れない怖い病気です。

 対策としては、動脈硬化を予防することが挙げられます。参加された方の中にも、この足の症状に近い悩みをお持ちの方が半数ほどいらっしゃいました。上記の症状に当てはまる方や、違和感、不安を感じる方は、手遅れになる前に早めに病院を受診しましょう!

  • 片足の皮膚が青白くなったり、紫色になったりする
  • 片足がしびれたり、足の先が冷えたりする
  • 長く歩くと片足が痛くなる
  • じっとしていても足が痛い
  • 夜、足が痛くて眠れない

Q1 足梗塞という言葉がある

( 知っている〇 / 知らない× )

 心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞になりますよね。脳や心臓と同じように、動脈硬化によって太ももやひざ下などの動脈が詰まり足先に血液がいかなくなる病気を足梗塞(正式には末端動脈疾患)といいます。推計患者数は300万人以上といわれており、多くの方がこの症状に悩んでいることがわかります。皆さんは、このような症状はありませんか?

  • 片足の皮膚が青白くなったり、紫色になったりする
  • 片足がしびれたり、足の先が冷えたりする
  • 長く歩くと片足が痛くなる
  • じっとしていても足が痛い
  • 夜、足が痛くて眠れな

 悪化すると足が壊死して、切断に至ることもあります。さらに足梗塞にかかると、心臓病や脳卒中にかかる死亡リスクが高くなることも分かっているため、侮れない怖い病気です。対策としては、動脈硬化を予防することが挙げられます。

 参加された方の中にも、この足の症状に近い悩みをお持ちの方が半数ほどいらっしゃいました。上記の症状に当てはまる方や、違和感、不安を感じる方は、手遅れになる前に早めに病院を受診しましょう!

 

★糖尿病と認知症の関係

Q2 糖尿病がある人は認知症になりやすい

( 知っている〇 / 知らない× )

 近年高血糖による物忘れ(認知能力の低下)が注目されており、海外では、血糖値を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高い人ほど、記憶力に関するテストの成績が悪いことが多いという研究結果が出ています。糖尿病でなくても血糖値が高めの状態であれば、記憶力の低下を起こし、さらに放っておくと認知症のリスクになることが明らかになってきています。

 高血糖が物忘れを引き起こす原因の鍵を握るのが膵臓からでるインスリンです。インスリンは体の細胞に糖を取り込むように指示を出し、血糖値を調整する役割を担っています。脳でも同様に働いていますが、食べすぎや運動不足によって血糖値が高くなると脳に届くインスリンの量が減ってしまいます。その結果、特に脳の中でインスリンを必要とする記憶力や注意力に関係する機能に影響が出て、物忘れをしやすい状態になっていると考えられています。

 血糖値に以下の特徴がある方は高血糖が原因で物忘れが起きているかもしれません。さっそく自分の血糖値を確認してみましょう!

 高血糖を予防・改善するためには生活習慣の見直しが必要です。以下のことに気を付けましょう!

  1. 血糖値を上げすぎないよう間食を控える
  2. 週2~3回の適度な運動
  3. 適度な糖質制限
  4. 野菜から先に食べる 

※ 血糖値の下げ過ぎも脳に悪影響を及ぼします。すでに糖尿病と診断されている方は必ず医師に相談してから、このような対策を行ってください 

 

★たまねぎについて

Q3 たまねぎには糖尿病を予防する効果がある

( 知っている〇 / 知らない× )

 実はたまねぎには5大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)の含有量はさほどありません。その代わりに高血圧など血管の病気に効果的な硫化アリル(アリシン)や老化を防ぐケルセチン(ポリフェノールの一種)が豊富に含まれています。それぞれについて簡単にご紹介します! 

◆硫化アリル(アリシン)

 血液をサラサラにする成分で、たまねぎを刻んだ時に目にしみたり、食べると辛いと感じるのはこの硫化アリルが原因です。硫化アリルは血液が固まるのを抑制するので血液をサラサラにし、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などに効果的です。

 また、血糖値の上昇を抑える働きもあるので、中性脂肪やコレステロールが高い人、糖尿病の予防にもおすすめの健康に良い食べ物です。

◆ケルセチン

 脂質の代謝を改善しシミやシワを防ぐ作用があります。

『たまねぎってすごかね~!毎日たくさん食 べようかな』

 

そう思ったあなた!ちょっと待ってください!!

 たまねぎを食べ過ぎると、下痢や腹痛になってしまうことがあるそうです。これは硫化アリルが腸の働きを活発にして刺激を与えてしまうことが原因で、吐き気や嘔吐をもよおしたり、胃もたれや胸やけを起こすことがあるのでくれぐれも食べすぎには気を付けましょう。

たまねぎ摂取の適正な量は目安として1日に1/4(50g)が理想です。硫化アリルによる血液サラサラの効果は7時間ほどしか持続しないので、食べすぎずに毎日少しずつ食べ続けることが大切です

 

★肺炎になりにくくなる運動

◆1日10秒!口開けトレーニング

このトレーニングはこのような悩みのある方を対象としています。

  1.  食べ物が飲み込みづらくなった
  2. 食事中にむせるようになった

やり方は簡単です!

1日5回、10秒間 思いっきり口を開ける

Q4 肺炎になりにくくなる筋肉がある

( 知っている〇 / 知らない× )

 年間約3万5千人が亡くなる誤嚥性肺炎。加齢や病気などによって物を飲み込む力(嚥下機能)が衰えてしまうことが主な原因です。このものを飲み込む力を回復させるために鍛える筋肉、それが『舌骨上筋群』といわれる筋肉です。この筋肉は、私たちが口を開けたり、ものを飲み込んだりするときに働きます。以下に、『舌骨上筋群』を鍛える方法を紹介します。嚥下機能の維持や低下予防としてお勧めです。

◆1日10秒!口開けトレーニング

このトレーニングはこのような悩みのある方を対象としています。

  1.  食べ物が飲み込みづらくなった
  2. 食事中にむせるようになった

やり方は簡単です!1日5回、10秒間 思いっきり口を開けるたったこれだけなんです!
1 か月続けることを目標に取り組んでみてください。(2週間程度で効果が現れる人もいます)

5回のトレーニングは連続で行っても、間を空けても構いません。口をあけることで、強い痛みが出た場合は速やかにやめてください

 

★こむら返りを予防するために

Q5 こむら返りは水分不足が原因である

( 知っている〇 / 知らない× )

 こむら返りが起こるメカニズムはまだよくわかっていませんが、病気などの直接的な原因がない場合、以下の3つの要因が考えられます。

  1.  電解質異常
    有力な要因のひとつが電解質異常です。電解質とは主にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど血液中にあるミネラルイオンの事を指します。これらのミネラルは筋肉や神経の動きを調節しているので、何らかの原因でミネラルバランスが崩れると、筋肉の異常興奮(痙攣)が起こるのではないかと推測されます。
  2.  加齢に伴う筋肉量の減少
    筋肉量が減少すると血液の流れが低下し、ミネラルやビタミンなどの栄養分の補給がうまくいかなくなり、日常活動による筋肉疲労が蓄積されやすくなります。
  3. 加齢や高血圧、高血糖など
    中高年になるとこれらが原因で動脈硬化を起こしているケースも少なくありません。足の血管に動脈硬化が見られると、血流量が低下し足がつる原因のひとつになります。さらに悪化すると閉塞性動脈硬化症をおこすこともあります。

 以上3つの要因に加え、発汗や脱水症状も要因として挙げられます。私たちは日常生活中で無意識のうちに発汗をしています。発汗と聞くと夏のことだけを連想しがちですが、冬も暖房が効いていれば室内でも汗をかきます。

 そして睡眠時にはコップ1~2杯分の汗をかいています。こうして考えると、私たちの体は知らず知らずのうちに脱水症状になっているのです。適度に水分補給を行いこむら返りを予防しましょう。

夜トイレに起きたら、布団に戻る前にコップ1杯のお水を飲んで、

こむら返り予防を予防しましょうね~!

 

★インフルエンザの予防法について

Q6 歯磨きはインフルエンザの予防になる

( 知っている〇 / 知らない× )

 実は歯磨きもインフルエンザの予防に効果が期待できます。私たちの口の中には約300 種類の細菌(常在菌)が生息しているといわれています。口の中が不潔な状態であれば、この在常菌たちがインフルエンザウイルスの侵入を手助けするプロアテーゼという酵素を作り出してしまいます。歯磨きをしっかり行うことで、口の中の細菌と唾液中のプロアテーゼ量を減らして、インフ
ルエンザの発症を抑えることができます。

 皆さんは歯ブラシをどのくらいの頻度で交換していますか?歯ブラシは、何千何万もの微生物や細菌のたまり場です。攻撃的な細菌ではありませんが、中には危害を加える細菌(例:インフルエンザウイルス、ブドウ球菌、カンジダ菌など)もあるので1か月に1本を目安に歯ブラシを交換しましょう!

 

★おわりに

 最後に、今回の健康教室の内容を振り返る問題を作りました。ぜひ挑戦してください!

 

●大牟田地域住民医療・介護情報共有拠点事務室OSKER

 大牟田の医療・介護施設情報を掲載しています。どなたでも好きな写真を投稿できるギャラリーを製作いたしましたのでご紹介いたします。次号は「介護サービスについて」をご紹介します。

 

 

 

 

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