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《再掲載》広報誌「リーキーガット症候群(腸漏れ)」

在宅情報マガジン てまり 平成30年 第8号

みなさん、こんにちは。非常に暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?室内外の気温や湿度に注意をはらい、十分に水分補給等をして、熱中症にならないようにお気を付け下さい。過日、「リーキーガット症候群(腸漏れ)」についての講話がありましたのでご案内いたします。

 

地域交流施設で、健康推進教室が行われました。

みなさん、腸の働きについてご存知ですか?腸には下記の働きがあります。

  • 免疫物質を生成し免疫力を高める。
  • ビタミン、ホルモンを生成する。
  • 食べ物を消化して栄養を吸収する。
  • 身体に必要なものだけを吸収し、不必要なものを入れず悪いものの侵入を防ぐ。

腸の粘膜の細胞同士はピチッとして接合点で連結し、
まるで敵を一歩も入れないようにガッチリとスクラムを組んでいるのです。

リーキーガット症候群(腸漏れ)とは?

何らかの原因で腸壁に炎症を生じ、そのスクラムが緩み、毒素・細菌・未消化の食べ物などが血液中に侵入してしまうことを「腸漏れ」といいます。
そうなると、通してはいけない病原菌やカビ、他の有害物質等がどんどん体内に侵入していき、身体のあちこちで悪さをするのです。

リーキーガット症候群(腸漏れ)の原因は?

腸のスクラムが緩む(腸漏れ)の原因は、乱れたライフスタイルにあります。

 

☆ ストレス…自律神経の交感神経に傾くと体の生理機能が低下します。すると、便秘もしやすく、腸内フローラが乱れて腸壁に炎症を起こし免疫も低下します。

☆ アルコール過剰摂取…肝臓で分解されたアセトアルデヒドが腸に炎症を起こします。

☆ 睡眠不足…私たちは寝ている間に身体や脳のメンテナンスをしていますが、睡眠不足になると上手くメンテナンスが行えず老廃物が体内に残ってしまいます。
そうなると腸に炎症が起こり易い状態になります。

☆ 食品添加物や悪い油…本来自然界になく人工的に作り出されたものの中には消化が困難な物質が多くあります。

☆ 糖質の過剰摂取…砂糖や炭水化物の過剰摂取は病原微生物(カンジダ菌など)が繁栄する際のエサとなり、腸壁に炎症を起こします。

☆ グルテンの過剰摂取…小麦粉に含まれるグルテンは腸内環境を乱し、様々なアレルギー反応を起こします。

☆ すぐに薬に頼る…消炎鎮痛剤や抗生物質・ステロイドの多用、長期服用が腸漏れを引き起こします。

 

その他バランスの悪い食生活、運動不足なども原因となります。
これらは全て腸内の慢性炎症を引き起こす原因です。

どんな原因で引き起こされたにしろ共通するのは、リーキーガットになる前には腸内環境の悪化が見られます。

 

通常、私たちの腸内は、以下の3つの菌で保たれています。

体によい働きをする=「善玉菌」…悪玉菌の侵入、増殖を防ぎ、腸の働きを促す菌。

体に悪い働きをする=「悪玉菌」…腸内で有害物質を作り出し、下痢、便秘となる菌。

どちらにも属さない=「日和見菌」…腸内の善玉菌、悪玉菌のどちらか優勢なほうに味方するカンジダ菌。ほとんどの場合、このカンジダ菌が腸内環境の悪化に関係しています。

 

腸内細菌のイラスト

 

カンジダ菌は、それ自体は誰もが体内に持っている菌で悪さをする事はないのですが、食生活の乱れ、抗生剤・ステロイドの長期使用、白砂糖・小麦粉の摂り過ぎにより、腸粘膜を弱らせると、腸内でカンジダ菌が異常繁殖し腸壁に炎症を起こします。
その結果、腸壁が緩み腸内から体内にカビ菌や病原菌、有害物質がどんどん侵入して様々な病気が現れるのです。

この善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスの事を腸内フローラ(腸内環境)といいます。

腸内フローラの理想的な状態とされるのは、善玉菌:2割 悪玉菌:1割日和見菌:7割 、このバランスを保つ事が大切なのです。

 

元気なお爺さんのイラスト

リーキーガット症候群にならないようにするには

☆ 気分転換を上手く行い、くよくよしない。
☆ 禁煙をする。
☆ アルコールの過剰摂取は控える。週2日の休肝日を設ける。
☆ 7~8時間の睡眠時間をキープする。
☆ 外食や添加物の多いインスタント食品や惣菜は控える。
☆ 良質な油を使用する。(オリーブ油、亜麻仁油、ココナッツオイル)
☆ 白いもの(白砂糖、小麦粉、白米)はカンジタ菌のエサとなり増殖するため過剰摂取しない。
☆ 適度な運動を習慣づけ、体を動かす。
☆ 日ごろの健康管理を行い、すぐに薬に頼らない。

以上のことに気をつけ、腸内環境をベストな状態に保ちましょう。

リーキーガット症候群自己診断テスト

 

◆ 以下の項目をもとに点数をつけてみて下さい。

各項目の点数は、

  • 症状が全くないか、まれにある程度  0点、
  • 軽度・時々ある           1点、
  • 中程度・よくある          2点、
  • 重度・ほとんどいつもある      3点、  とします。

 

◆ 最後に各項目の点数を合計して診断します。

1.便秘や下痢がある。
2.腹痛または腹部膨満感がある。
3.便に粘液や血が混じる。
4.関節痛または腫れがある。
5.慢性的な疲労感がある。
6.食物アレルギー、過敏症や不耐症がある。
7.鼻づまりがある。
8.アトピー、皮膚発疹やじんましんがある。
9.喘息、花粉症、空中浮遊物アレルギーがある。
10.混乱、乏しい記憶力、気分のムラがある。
11.非ステロイド系抗炎症薬を使用する。
   (アスピリン、バファリン、ロキソニン等)
12.抗生物質の使用歴がある。
13.アルコールを飲む
14.潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック病のどれかである。

 

◆ リーキーガット診断結果

上の項目の合計点が、

  • 0~ 5   リーキーガットの可能性は低い。
  • 6~10   リーキーガットの可能性がある。
  • 11~19   おそらくリーキーガットである。
  • 20 以上   ほぼ確実にリーキーガットである。

 

ライフスタイルを見直し、腸内環境を整えて、
住み慣れた地域で
健康で楽しい生活を続けましょう。

 

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