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《再掲載》広報誌「便秘について(うんこの話)」

在宅情報マガジン てまり 令和元年 第5号

みなさん、こんにちは。ゴールデンウィークはいかがお過ごしになりましたか。いよいよ新元号となり、新しい時代が始まりました。どんな時代になっていくのか、楽しみですね!
過日、『便秘について(うんこの話)』のお話がありましたのでご案内いたします。

 

地域交流施設で、健康推進教室が行われました。

みなさんは、うんちは何でできているかご存知ですか?知っているようで知らない話、今回は看護師による「便秘について(うんこの話)」の内容についてご紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてください。

うんちが出てくるまで

食べたものが、体の外に出てくるまでの距離と時間はどのくらいかかるのかご存知ですか?
なんと、距離にして約9m、時間にして12時間~48時間かけて体内を通りうんちになっていきます。

うんちは何でできているのか?

講師の看護師がこの質問を、投げかけたところ、「食べたもののかすでしょ!」という返答がすぐに帰ってきました。同じ回答を思い浮かべた方は少なくないと思います。しかし、うんちに含まれる「食べたもののかす」の割合はたったの6~7%ほど(腸の粘膜・腸内細菌も同様)で、なんと「水」が全体の8割を占めているのです。

    • コロコロうんちが含む水の量・・・7割
    • 普通のうんちが含む水の量 ・・・8割
    • 下痢うんちが含む水の量  ・・・9割

このように、うんちに含まれる水の量で体から排出されるうんちの状態が変わります。

 

「腸内フローラ」とは

最近、テレビのCMなどでよく耳にしますよね?私たちの体内にある、腸内細菌のことを「腸内フローラ」と言います。人間の体の細胞は
約60兆個と言われていますが、なんと、この腸内細菌は100兆個
ほど存在しているのです。驚きですね!
「腸内フローラ」の種類と、どのような働きをするのか、ご紹介します。

腸内フローラの種類

腸内細菌の種類は大きく分けて3つあります。
<善玉菌>
消化吸収を助け、健康維持に欠かせない菌
<悪玉菌>
腸内を腐敗させ、ガスの発生を促し、有害物質を作り出す菌
<日和見(ひよりみ)菌>
健康な時はおとなしいが、体が弱まると腸内で悪い働きを始める菌

腸内フローラの働き

腸内フローラが良好であれば、快便、免疫を整える、美容にも良いといった効果があります。
逆に、腸内フローラが悪化してしまうと、便秘、肌荒れ、体臭・口臭がする、太りやすくなる、といった変化が体に起きてきます。

腸内フローラが崩れた時の改善方法

『1(悪玉菌):7(日和見菌):2(善玉菌)』

これは、腸内フローラの理想的な割合です。腸内フローラは年齢とともに悪玉菌が増えてしまうので、年齢を重ねるたびに善玉菌を増やす食事をとることが重要です。
その他にも、適度な運動や睡眠不足の解消をしていくことで腸内フローラは改善していきます。

どのような状態を便秘というのか

日本人の約26人に1人は便秘を患っており、なかでも女性は男性の4倍便秘に悩む人が多いそうです。
どのような状態を『便秘』というのか、AさんとBさんを見比べてみましょう。

Aさん:毎日便は出るが、すっきりせず量も少ない。便が出た後もおなかは張ったかんじがする。

Bさん:2~3日に1回しか便は出ないが、量もちょうどよく、おなかもすっきりする。

いかがでしょうか。このような場合、Aさんの方が便秘の状態であると言えます。便秘とは便が大腸内に長時間とどまり、排便がスムーズに行われていない状態のこと。毎日出なくても、適量でおなかがすっきりする排便が行われていることがポイントだといえます。皆さんの排便はどうですか?

便秘の種類

一言で『便秘』と言っても、便秘には様々な種類があります。その中でも病気由来ではなく大腸の機能低下により起こる3種類の便秘についてご紹介します。
①弛緩(しかん)性便秘
 蠕動(ぜんどう)運動(腸が波打つように動き便を送り出す働き)が弱いために、腸内に便が長時間滞在し、水分が多く吸収された結果、便が固くなる状態。
 高齢者や、やせ形の女性、寝たきりで過ごす時間が長い人などにみられる。

②痙攣(けいれん)性便秘
ストレスなどで大腸が十分に動かずに排便が困難な状態。排便の際に腹痛を伴うこともある。

③直腸性便秘
 便意を我慢する習慣を続けた結果起こる便秘。
 便意を感じたら我慢せずに排便をすることが大事。

こんなうんちにはご用心!

・血が出る
 痔じゃないときは、大腸ポリープや、がんの可能性があります
・強い腹痛
 腸閉塞の可能性があります
・便が細くなる
 大腸がんの可能性があります

日頃の自分のうんちの観察って大切なんだ!

便秘の解消法

①朝食を取る

 朝食後に便意が起きやすいので、毎日決まった時間にしっかり朝食を食べ、生活リズムを作りましょう。

②水分を十分に取る

 1ページ目で紹介したとおり、うんちの約8割は水です。特に夏は、汗と一緒に水分が外に出ていくので、水分が足りなければ便秘の悪化につながります。

③食物繊維をとる

 水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維をバランスよく20~25g程度とりましょう。

 水溶性食物繊維・・・大麦、わかめ、こんにゃく、熟した果実 など

 不溶性食物繊維・・・穀物、野菜、豆類、未熟な果実 など

④適度な運動をする

 ウォーキングやストレッチなど簡単なもので良いです。毎日続けることが大事です!

⑤おなかのマッサージ

 ポイントは腸に沿って右から左へゆっくり円を描くように!

⑥入浴の時間を設ける

 体温が上がると腸の活動も活発になります。シャワーで済ますのではなく、ゆっくりと時間をとって、しっかりと体を温めましょう。

⑦下剤を使う

 習慣性がついてしまうので、最後の手段として頭に入れておいてください。

ツボで便秘解消

おなかのマッサージと合わせて、ツボを刺激するとより効果的です。実際に、資料を見ながら便秘に効くツボを体験しました。

ツボ押しは気軽にでき、腸内活動を促進する方法として毎日行うのがおすすめです。

推進教室ではこのような詳しい資料が配布されるので、魅力的ですね!

おわりに

いかがでしたか?

目からうろこのうんちの話や、腸内フローラの話、すぐに実践できるツボ押しの話など、とても内容が豊富な推進教室となりました。

今回のてまりを見ていただいた方が、今の自分の体が必要としているものは何なのか、考え選ぶきっかけになれば幸いです。

次回の推進教室も、生活の為になる話がたくさん聞けると思うので、多くの方のご参加をお待ちしております!

 

うんちは、健康状態や
腸内環境を知らせてくれる大切な物。
体からのお知らせを受取る為にも、
便秘にならないよう
生活習慣を整えましょう。

 

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