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広報誌Web版『てまり再掲載』

在宅情報マガジン てまり 令和5年 第1号

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

◎地域交流施設で、健康推進教室が行われました。

今回は薬剤師による「肝臓」についてのお話です。
日々の生活に取り入れて頂き、健康に暮らしていければと思います。

肝臓の働き

●体の中の化学工場

吸収した養素を体に利用できる形に変化させたり、体内でできる老廃物を体の外に排出できる形に変化させるなど様々な代謝を行います。

●栄養素の倉庫と出荷

エ ネルギー源となる糖や脂肪、体を作る蛋白質などの栄養素は肝臓で作られて貯蔵され、必要に応じて血液によって全身へ送られます。

●老廃物の浄化センター

肝臓は、血液によって収集されてくるアンモニアや、古くなった赤血球の成分などの老廃物を絶えず処理しています。

脂肪肝

脂肪肝は、肝臓に脂肪がたまり機能 が損なわれる病気です。肝細胞の3分の1以上に脂肪沈着が認められます 。脂肪がたまっていても、自覚症状はほとんどありません。

●アルコール性脂肪肝

過度の飲酒が主な原因で、肝臓 に脂肪がたまるのがアルコール性脂肪肝です。特に男性の場合は内臓 脂肪がつきやすく、飲酒習慣の多い 30代~40 代から、アルコール性脂肪 肝が増えていきます。
ア ルコール性脂肪肝が進むと、 肝炎や肝硬変、肝癌などの病気の原因ともなります。

● 非アルコール性脂肪肝(NAS H)

脂肪肝の中でもアルコールを飲 まなくて、アルコール性脂肪肝と類似したNASHは肝硬変から肝癌 に移行することから、注目を浴びています。

脂肪肝・NASH改善のために

●体重を適正にする

現在の体重は適正?理想の体重 を知ろう!

BMI(Body Mass Index:肥満 指数)
…現在の体重÷身長(m)÷ 身長(m)

 

  • 18.5 未満:やせ
  • 18.5~25 未満:普通
  • 25 以上:肥満

 

理想体重=身長(m)×身長(m )×22

●食習慣を振り返る

規則正しく、バランスの良い食 事を摂っていますか。

  • 3食しっかり摂る
    ⇒ 食事のリズムを作ることがで き、代謝がよくなる。
  • 3食バランスよく摂る
    ⇒ 栄養の偏りを防ぐ。

体重が理想体重とほぼ同じか、 少ない方

⇒ ①食事内容の見直しを。

  • 脂質に偏った食事をしてい ませんか。
  • 炭水化物を摂りすぎていま せんか。

現体重が理想体重より多い方

⇒ ①に加えて、②食事量、食事 時間の見直しを。

  • 食べる速さは早くないです か。
  • 毎食野菜をしっかり食べて いますか。
  • 寝る2時間前には食事を済 ませていますか。

●摂取エネルギー量を控えるため の工夫

  1. 1日の必要量を把握する
    1日の必要エネルギー量=理 想体重×25~35kcal
  2. 調理方法を考える
    揚げる>炒める>煮る>蒸す >茹でる
    の順にエネルギーが下がり ます。
  3. 食品を選択する
    質を控える。
    炭水化物を控える。

その他に大切なこと

  1. 継続すること
  2. 運動すること

薬物性肝障害

●薬物性肝障害とは

肝臓は、生命維持に必 要なさまざまな働きをする大切な臓器です。薬の代謝(化学変化)は肝臓で行われることが多く、様々な代謝産物が肝臓に出現するため、副作用として肝機能障害が多いと考えられています。

●副作用の出方

  1. たくさん飲んで初めて副作用が出る場合
    …決められた用法・用量を守ることが重要です。
  2. 飲んだ量に関係なく副作用が出る場合
    …他の人では服用しても何も問題ない薬でも、ある人では少量
    でもかゆみ、発疹、じんま疹、肝機能障害などが出るパターンの肝障害です。
  3. ある特定の人にしか副作用が出ない場合
    …薬を代謝する酵素や、薬に対する免疫に個人差がある場合に出る肝障害です。

●早期発見と早期対応のポイント

倦怠感、発熱、黄疸、発疹、吐き気・おう吐、かゆみなどがみられ、これらの症状が急に出現したり、持続したりするような場合であって、医薬品を服用している場合には、放置せずに医師、薬剤師に連絡してください。
薬の副作用は身体の症状にあらわれる前に血液検査で発見されることが多いので、服用を始めたら定期的に血液検査を受けることが極めて大切です。

適切な食事、適度な運動を
生活に取り入れて住み慣れた地域で
末永く暮らしていきましょう。

大牟田地域住民医療・介護情報共有拠点事務室OSKER

大牟田の医療・介護施設情報を掲載しています。どなたでも好きな写真を投稿できるギャラリーを製作いたしましたのでご紹介いたします。次号は「介護サービスについて」」をご紹介します。

 

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