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広報誌Web版『糖尿病のアレコレ』

 みなさんこんにちは。毎日寒い日が続いていますが、ことわざで「2月は逃げて走る」というように、梅の花が咲き始め春の訪れを感じられそうです。今回は看護師による『 糖尿病のアレコレ 』について紹介していきます。

はじめに

糖尿病とはどんな病気なのか

インスリンの分泌がない、もしくはインスリンの働きが十分ではないために、血液中のブドウ糖が増え、血糖値の高い状態が長く続く病気です。

血糖値が高いことで、血管が傷つき合併症にもつながります。初期症状はほとんどありません。

つまり自覚症状が出た時には、かなり進行している可能性もあり最も怖い病気です。

自覚症状

  • 疲れやすい
  • トイレの回数が多い
  • のどが渇く
  • 尿の泡立ち、臭い
  • 食欲があるのに痩せる
  • 皮膚が乾燥してかゆい
  • ものがかすんで見える
  • 傷の治りが遅い
  • 風邪をひきやすい

血糖値とインスリン

血糖値は、インスリンというホルモンによって一定に保たれています。血糖値が上がると、膵臓からインスリンが分泌され、インスリンがブドウ糖を細胞に取り組み、血糖値を下げようと働きます。

インスリンが十分に分泌されない、またはインスリンの効きが悪い(インスリン抵抗性)と血糖値は高くなります。

 

糖尿病は、治るとも治らないとも言えない病気です。うまく付き合っていきましょう。

 

糖尿病の症状で、体重の減少がみられることがあります。その原因の一つは、高血糖状態による脱水です。ドロドロになった血液を、体内のありとあらゆる水分で薄めようとして、血管には水分が多く集まり、結果尿として排出され、体内は脱水のような状態となり、体重が減ってしまうのです。体の水分が20%減ると死に至るといわれています。

糖尿病で痩せることは、身体が危険信号を発した証拠です。

糖尿病のタイプ

1型糖尿病

膵臓のインスリンを分泌する細胞(β細胞)が壊されるもので、インスリンがほとんどでなくなる場合が多く、注射などのインスリン製剤を使って治療します。
子どもや若い年齢の発症が目立ちますが、幅広い年代で発症することもあります。
突然激しい口の渇きや、頻尿が現れるのも特徴の一つです。

2型糖尿病

90%以上が2型糖尿病です。40歳以上に多いですが、若い方も増加傾向にあります。
遺伝的な影響に、食べ過ぎや、運動不足による肥満やストレス・喫煙・睡眠などの生活習慣が関わっても発症します。
進行すると、のどが渇く・トイレが近くなる・疲れやすい・体重が減るなどの症状が現れます。

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて分かった、又は、糖尿病ではないが高血糖状態であることを言います。
ホルモンの関係で、妊娠中は、血糖値が上がりやすい状態になります。
また、妊娠糖尿病で、症状が現れることはほとんどありません。きちんと検診を受けて予防することが大事です。

小児糖尿病

7歳から14歳の子供にみられる糖尿病の事を言います。
1型が多いですが、肥満の増加に伴い、2型も増加しています。

糖尿病の検査

血糖値とHbA1cです。
血糖値は食事をすると上昇します。しかし、健康であれば空腹時110㎎/㎗未満、食後は140未満までの上昇となります。空腹時血糖が、126㎎/㎗以上、食後血糖値が200以上だと糖尿病型です。
正常値と糖尿病型の中間が境界型です。(糖尿病予備軍とも呼ばれる)

HbA1cとは、血糖コントロール状態を調べるために行われ、過去1から2カ月の平均的な血糖値が分かる検査です。
HbA1cが6.5%を超えると糖尿病型に入ります。

 

HbA1c
4.3~5.5%・・・正常
5.6~5.9%・・・正常高値
6.0~6.4%・・・境界型
6.5~6.9%・・・糖尿病型
7.0%以上・・・危険

 

HbA1cと血糖値の両方が糖尿病型を示すと糖尿病と診断されます。

治療

食事療法・運動療法を中心とした生活習慣で改善できます。状態に応じて、薬が使われます。

まず、食事療法から

  • 適正なエネルギー量
  • 栄養素のバランス
  • 規則的な食事習慣

食事療法

糖質を10%オフにした食事にする。(ちょっと少な目を意識する)例えば、ご飯を一口減らす。パンは5枚切りから6枚切りにするなど、一食ごとにやってみましょう。塵も積もれば山となる!
毎日実践で4カ月で2kg減量できます。また、内臓脂肪が減り血糖コントロールの改善にも役立ちます。
食物繊維を多くとる。
血糖値を下げる食べ物として取り入れたいのが、野菜・海藻・キノコ類です。食物繊維は長時間にわたって腸内にとどまり、糖質の吸収を邪魔します。その結果、血糖値は緩やかになります。
おすすめの食べ物は、ブロッコリー・ほうれん草・小松菜などの緑黄色野菜です。また、葉酸も豊富に含まれています。

運動療法

糖を取り込みやすい体・インスリンの効きが良くなる体を作るために行います。運動をして脂肪をもやし、筋肉をつけましょう。筋肉は、糖を取り込んで血糖値を下げる効果が期待できます。

さらに運動によって内臓脂肪が減ると、インスリンの効きが良くなり、血糖コントロールを良好に保てるようになります。

歩行や、ジョギングなどの有酸素運動とスクワットやダンベルなどのレジスタンス運動を組み合わせるとより効果的です。

運動時間は、食後30分~1時間30分・1回の運動は、20分以上

歩行は、1回15分~30分。1日2回1万歩が適当といわれています。

薬物療法

食事や、運動だけでうまく血糖コントロールができない場合に用いられます。大きく分けると、内服薬と注射薬の2種類です。

血糖値後下げる薬には、インスリンの分泌を促す薬や、糖の吸収を抑えたり、排泄を良くしたりする薬もあります。内服薬だけでは十分な血糖コントロールができないと判断された場合、インスリンを補うために注射薬が用いられます。

どの注射薬を選択するかは医師によって決められます。

合併症

糖尿病の三大合併症と呼ばれるのが、「糖尿病性神経障害」「糖尿病性腎症」「糖尿病性網膜症」です。
手足の神経、腎臓、目の網膜には細い血管が集まっており、太い血管よりか弱く、高血糖では、細い血管に大きな負担がかかります。そのため、三大合併症は糖尿病で起こる確率がとても高くなっています。
神経障害は、他の合併症より先に現れることが多く、足先に痛みやしびれなどの症状が目立ちます。

動脈硬化

動脈硬化とは、動脈が固くなってしまうものです。
血液中の糖の多さが原因で血流が悪くなり、血管も硬くなり動脈硬化を進めてしまいます。
ある日突然プラーク(コブ)が破裂し、血栓が血流を止めると、脳梗塞、心臓で起きると心筋梗塞を起こします。
その他の病気として、水虫や膀胱炎のような感染症にもかかりやすく重症化しやすいと言われています。免疫の働きが下がり、ウイルスや細菌と戦う力が弱くなってしまいます。また、アルツハイマー型認知症の発症のリスクが糖尿病でない人の1.5倍ともいわれています。

合併症予防のための対策

血糖値を下げ、良好な血糖コントロールを行うことが大切です。

食事・運動療法を中心に、減量したり、生活習慣を見直すことから始めましょう。

最後に

糖尿病は、自覚症状が出ないことが多いですが、本当に怖いのは合併症です。
そのため、食事と運動を中心に、減量に取り組み合併症を遠ざける生活を行う事が大切です。また、定期的な受診と血糖測定で、今の自分の状態をしっておくようにしましょう。
血糖値が安定すれば、健康な人と同じ状態でいられます。
糖尿病と上手に付き合っていく事がいいでしょう。

 

 

 

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