南大牟田病院
ホーム > 広報誌Web版 > 広報誌Web版『うつのお話』

広報誌Web版『うつのお話』

みなさんこんにちは。日中はお天気が良いと温かさを感じる季節となりました。これから少しずつ暖かくなっていき、外出する機会も自然と増えてくるのではないでしょうか。満開の桜を見られる日もそう遠くありませんね♪

今回は、ソーシャルワーカー(社会福祉士)による『うつのお話』について紹介していきます。

はじめに

ソーシャルワーカーについて

ソーシャルワーカーとは、わかりやすく例えるならトイレットペーパーと似ています。(い)なくてはならない存在です。

 

 

用を足したくなったらトイレへ。
トイレットペーパーで処理。

生活問題が発生したら相談室へ。
ソーシャルワーカーが解決。

うつに関するキーワード

ストレス、ストレッサー、自律神経、副交感神経、ゆっくり・休む、ストレス対処(コーピング)

① うつの原因となる「ストレス」について

ストレス

元々は物理学の世界の言葉。物体に力が加わった時に生じるゆがみ、ひずみを指す。外部からの刺激などで、体の内部に生じるゆがんだ状態を「ストレス状態」、ゆがみを元に戻そうとする反応を「ストレス反応」、すぐに元の形に戻れるか(弾力性)が「ストレス耐性」

ストレッサー

ストレスの原因となる外部からの刺激(出来事・周りの環境)のこと。

ストレス下ではどんな症状・反応が現れるか

●眠れない ●疲れを感じる ●首や肩の凝り ●頭が重い ●頭痛 ●どこかしらの痛み ●過敏性腸症候群 ●胃部不快感 ●日常生活や仕事でやれていたことが能力的に出来なくなる(効率が悪くなる) ●集中できなくなる ●妄想的思考になる(お金が十分にあるのに、お金の心配をする。何か悪い病気にかかっているのではないかと心配する。悪い方にばかり考えて明るい希望を見いだせないなど) ●反応がワンテンポ遅くなる ●思考がまとまらない ●ずっと寝てばかりになる ●食欲がなく、食べても美味しくない ●お酒の量が増える ●喉の奥がつかえてる感じがする ●体が重い ●イライラしてじっとしていられない ●自分が死んでも誰も悲しむことはないと思う ●憂鬱な気分になる ●何もしたくなくなる、やる気がなくなる ●すぐに涙が出るまたは、出そうになる ●今まで興味があったことに無関心となる ●不安な気持ちになる ●気分が落ち込む、覇気がない ●心配ばかりする ●人に会いたくなくなる ●ダメな人間だと自分を責める ●朝、起床したくなくなる etc・・・

認知的評価(ストレッサーに対する受け止め方)

一次的認知評価

ストレッサーをストレスの原因となり得るかどうかを判断し、ストレッサーを自分とは無関係と捉えた場合、ストレスを感じることはない。一方、ストレッサーが自分にとって有害であると判断した場合は、月の二次的認知評価に進む。

 

二次的認知評価

ストレッサーに対する「対処」を検討するプロセス。具体的には「ストレッサーへの対処法を自分は知っているか」「その対象方は実現可能か」を検討します。ここで対処可能と判断されるとストレス反応は抑えられる。

② 「ストレッサー(出来事・周りの環境)の種類」について

  1.  心理的・社会的ストレッサー
    家庭や職場など人間が社会生活を営む上で生じるもの。
    「不安」「怒り」「悲しみ」「恐怖」「喜び」など
  2.  物理的ストレッサー(環境的要因)
    「暑さ」「寒さ」「騒音」「振動」「光」「混雑」「湿度」「気圧」など
  3.  科学的ストレッサー
    「薬物・薬品」「公害物質」「大気汚染」「酸素欠乏」「酸素過剰」「たばこの煙」「においの強い食べ物」など
  4.  生理的・生物的ストレッサー
    花粉、カビ、ほこりなどのによる「アレルギー反応」やウイルスや細菌などによる「炎症」や「感染症」。痛み、かゆみ、眠気、空腹など
  5.  外傷性ストレッサー(トラウマ体験)
    「自然災害」:地震、火災、火山の噴火、台風、洪水など
    「社会的不安」:戦争、紛争、テロ事件、暴動、虐待、いじめなど
    「生命などの危機にかかわる体験」:暴力、事故、犯罪など
    「喪失体験」:家族友人の死、大切なものの喪失など
  6.  構造的ストレス 体のゆがみ

③ ストレスが体にどのように作用してうつになるのか

自律神経について

  1. 交感神経:アクセル的な役割。活動や緊張、興奮状態に関連し、心拍数や血圧を上げる役割を果たします。
  2. 副交感神経:ブレーキ的な役割。リラックスや休息、食べ物の消化などに関与し、体を落ち着かせる働きをします。

 

〇自律神経が乱れる原因

ストレス、睡眠不足、暴飲暴食、運動不足、加齢

 

〇加齢により乱れる

10年で15%低下する。副交感神経のほうだけ働きが低下する。不調をそのままにせず「ゆっくり」を意識するようにして、副交感神経を刺激すると副交感神経の働きの低下を遅らせることができる。

交感神経が優位になるとどんな不調が出るのか

  • 自律神経失調症:倦怠感、頭痛、肩こり、不眠、イライラ、集中力の低下など
  • 神経性胃炎:胃痛、胸やけ、喉のつかえなど
  • 過敏性腸症候群:下痢、便秘など
  • メニエール病:めまい、耳鳴り、難聴など
  • 過呼吸症候群:胸の痛み、息苦しさなど
  • 起立性調節障害:朝起きられない、食欲不振など
  • 更年期障害:ほてり、のぼせ、発汗など
  • 高血圧
  • 心疾患
  • 脳血管疾患
  • 抜け毛
  • しもやけ、冷え性 などなど

うつにならないようにするために

1.姿勢を正しくする→うつの症状が改善する。

呼吸がしやすくなる。
体の凝りが良くなる。
便秘が改善する。

 

2.深呼吸をする→自律神経が整う(眠くなる)。

ストレス解消になる
内臓マッサージになる
血液循環が良くなる。
疲労回復が早くなる。

 

3.ストレスの引き算

腰痛+仕事が山積み+結婚が目前=ストレスフルになるかも

人によってストレスの度合いが違うかもしれませんが、例えばストレス状態最大の状態を「10」とします。
腰痛:3、仕事が山積み:4、結婚目前:4

3+4+4=11  ストレスが許容量をオーバー
問題を改善して引き算をします。
0+4+4=8   2+3+3=8

 

4.コーピング(cope:うまく対処する)

コーピングのアプローチ
① ストレッサーを除去する
② ストレスに対する認知を変える
③ ストレス反応を解消する

 

① 問題焦点型:根本的な「問題」を解決しようとする方法。自身で解決するだけでなく周囲にアドバイスを求めて解決することも含む。信頼できる人に話すことで気持ちが楽になり、心理的安定を得られるようになる方法。解決できない場合にストレスとなる要因(人)を避けるような回避行動も含む。根本的な問題を解決しようとするので、その家庭においてもストレスを感じる可能性もあるので注意。

② 情動焦点型:問題の解決方法がない場合や解決に時間がかかりそうな時に適している方法で、問題ではなく自分自身の「感情」に焦点を当て、ストレスの受け取り方や感じ方を変えて軽減したり、ストレッサーをストレスと感じないようにするための方法。

認知的再評価型:問題の捉え方を見直し、意識を変化させてストレスを軽減する方法。

情報処理型:家族や親しい友人など周囲の人にストレッサーで生じた感情を聞いてもらうことにより、感情の整理をする方法。

③ ストレス解消型:ストレッサーを排除したり、認知の仕方を変えることなく、ストレスそのままを受け入れて解消する方法。

リラクゼーション型:ヨガやアロマテラピーなど心身がリラックスできる状態を整えることで、ストレスを緩和する方法。

気晴らし型:運動や趣味などのいわゆるストレス解消により気分転換を行動によって図る方法。日々のストレス解消に有効。

 

5.規則正しい生活を送ること

生活の見直しとして、規則正しい生活に戻す

6.ストレスから意識的な距離を取ること

〇自分がしなければならない事(仕事を含む)」であり、他者から大変そうに見えて「大変ですね」と言われても、他者の問題を自分自身に起こっている問題として捉えない。

 ⇒例えば、子供の受験を心配しない。

 

〇自分が現状大変であるかもしれないが、「そうではない」と距離を作る。

即対応をする必要がなければ、現実逃避、回避をする。

 ⇒しなければならない課題を先送りにして、今を良い状態で維持させる。

 

〇冷静に今は何をしたら良いか、考える。

 ⇒あまり問題に直面しないように一歩引いた感じで他人事のように考える。自分が誰かにアドバイスするなら、どんな感じにするか?と考え、自分にアドバイスする

今日のまとめ

 

今回の「うつのお話」はいかがでしたでしょうか?

他にもホームページに紹介しておりますので、ご興味のある内容がありましたらそちらをご覧ください。

 

⇒PDFのダウンロードはこちら

 

メニュー

公益財団法人 南大牟田病院