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広報誌Web版『「話すこと」の障害について』

みなさん、こんにちは。今年も残すところあと1カ月となりました。だいぶ日照時間が短くなりましたね。身を刺すような冷たい風を受けると、いよいよ冬の訪れを感じます。この時期は急な温度の変化から体調を崩しやすくなりますので、体を冷やさないように一枚羽織るものを持ち歩くなど、日ごろの体温管理にお気を付け下さい。過日、『「話すこと」の障害について』の健康教室が開かれたので紹介していきます。

はじめに

話すこと=言葉、言語とは何なのか?

言葉は4つの形式に分けられる

 

言語は“話し言葉”と“言語知識”に区別される

【言語知識】

  • 音韻に関する知識、文字に関する知識、言葉の意味、文法などの獲得した言葉に関するすべての知識のことをいう
  • 言語知識は台の皮質に蓄えられており、中枢の言語過程である

【話し言葉】

  • 言語知識が言語音に運動変換されたものをいう
  • 口唇や舌などの発声発語器官を用いて表出される

声の出る仕組みとは?

①脳から「声を出せ」と指令を送る
②肺から空気を送る
③肺から空気で、声帯を振動して音が鳴る
④音が、喉・口・鼻で響く
⑤口・鼻・唇・舌によって「声」になる

 

2枚の声帯と声帯がこすり合わさり、振動します。

声帯の振動が多いと高音、振動が少ないと低音がでます。

声帯と声帯の間(声門)が開き、その間を息が流れます。

https://koehappy.com/blog-voice-structure/
【そもそも】声はどのように出るの? 仕組みを知ってもっと美声に!

言語障害とその関連障害

失語症とは?

いったん獲得された言語知識が言語機能を担う大脳の病変によって後天的に障害された状態

▶脳血管症や頭部外傷、変性疾患などの病因で引き起こされる。

▶失語では多かれ少なかれ『話す』『聞く』『読む』『書く』のすべての言語モダリティーが障害される

 

構音障害とは?

▶構音に異常をきたした状態

▶構音障害は、構音器官(下顎、口唇、舌、軟口蓋)の形態や運動に支障をきたした“器質的構音障害”と器質的な原因が明らかではない“機能的構音障害”とに区別できる

 

音声障害とは?

▶発声機能に障害が生じ、思い通りの声が出なくなる病気

 

こういうことはありませんか?

  • 相手から聞き返されることが増えた
  • 使い慣れた歌が歌いにくくなった
  • 15秒以上声を出し続けることができない
    (成人男性は30秒、成人女性は20秒が正常値)

当てはまる人は音声障害の可能性があるかも・・・

 

音声障害の3つのパターン

▶音声障害を大きく分けると3つに分類される

  • 機能性音声障害(越えの出し方に問題がある障害)
    →声を出す器官(器質)に問題はないのに、出てくる『声』が正常でない症状。
    例:変声障害など
  • 器質性音声障害(声帯やのど周りに異常がある障害)
    →声帯をはじめ、声を出す器官や声帯を動かす神経などの身体的な異常により、声を上手く出せない症状。
    例:声帯炎、声帯ポリープ・声帯結節、老人性嗄声、声帯麻痺、逆流性食道炎による音声障害、喉頭がん
  • 心因性音声障害(精神的な問題に起因する声の障害)
    →器質的にも機能的にも問題がないにもかかわらず、声がかすれて上手く出せなくなったり、ほとんど声が出なくなったりすること。また、強い悲しみなど精神的ショックを受けたことをきっかけに、声が出なくなること。ストレスが原因。

 

コミュニケーション障害とは?

▶言葉に異常がなく意思疎通に支障をきたす病態をまとめて“コミュニケーション障害”とよぶ。

  • 喉頭摘出
    喉頭がんなどで声帯がなくなる為に発声・発音が出来なくなる
  • 呼吸管理下
    気管切開を施行されたり、人工呼吸器を装着して呼吸管理下にある患者は、意識が明瞭であっても発生が出来ず、コミュニケーションが困難な状態におかれる

 

参考文献
渡邉 雄介(2021).専門医が教える 声が出にくくなったら読む本.あさ出版
毛束真知子(2013).絵でわかる言語障害-言葉のメカニズムから対応までー.Gakken

 


 

おわりに

今回の、「「話すこと」の障害について」はいかがでしたでしょうか?今年もあと少しですが、インフルエンザが流行していますので体調管理に気をつけてよいお年を迎えましょう。

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